タイムラプス培養器は、胚の分裂と初期発育を連続して観察できる装置です。その過程を映像として記録し、豊富で完全なデータを提供します。AIとビッグデータを組み合わせることで胚の評価を標準化し、結果の信頼性を高めます。
従来の培養器は、母体の子宮環境を模した温室のようなもので、温度・湿度・ガス濃度・pHを厳密に管理し、胚が最適な環境で育つようにします。発育と分裂の過程を観察するには、1日1回胚を取り出して顕微鏡で分裂の様子を確認し、良し悪しを判断して良好な胚を選び移植していました。しかし培養器を開けて取り出すたびに、胚は外部環境の影響を受け、庫内の恒常性も乱れます。さらに胚の発育は刻々と変化するため、1日1回の静的な観察では外観しか見えず、得られるデータは非常に限られていました。
タイムラプス培養器はこうした欠点を根本から解決します。10分ごとに胚を撮影するタイムラプスシステムと、5日目まで開閉や交換の不要な「ワンステップ」培養液を用い、胚は安定した環境で外部の影響を受けずに育ちます。24時間途切れなく撮影した画像を映像化することで、分裂の速さ、細胞数が正常か、断片の有無などの「動的」な変化が分かります。
タイムラプス撮影とワンステップ培養液の併用により、胚の発育を妨げずに連続観察でき、膨大な発育データを取得できます。AIのアルゴリズムを用いて、最も質の高い胚を選んで移植することで、妊娠率・生児獲得率を高め、流産率を下げられます。
タイムラプス培養器が提供するもの:
- 胚の分裂・発育に適した、極めて安定した環境。
- 静的な外観だけでなく、タイムラプスによる胚の「動的」な挙動と形の評価。
- AIとビッグデータによる評価の標準化で、より高い信頼性。
胚の選別率を高め、移植の成功率を上げ、流産率を効果的に下げます。高齢の方、卵巣機能が低い方、刺激への反応が乏しい方、採卵数が少なくPGS(着床前染色体スクリーニング)を行えない方には、タイムラプス培養器で最良の胚を選び、妊娠までの時間を短縮できます。採卵数が多くPGSを希望する方には、分裂・発育が正常な胚を選んで検査でき、すべての胚盤胞を検査に出す必要がなく、検査費用も大きく抑えられます。
ヨーロッパ・イスラエル・シンガポールの生殖医療センターではすでに広く用いられ、生殖補助医療の新しい潮流となっています。台北中山医院生殖医学センターは、最新のAI搭載Embryoscopeタイムラプス培養器を導入し、今月(12月)より稼働を開始しました。不妊のご夫婦により精緻で効果的な医療を提供し、妊娠率の向上を目指します。
